こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは、主に IPv6を扱う・これから扱いたいインフラエンジニア向けに、IPv6についての最新情報や IPv6検定基礎試験に関する内容を取り上げていきます。
今回は、中国における、IPv6の展開についてです。中国は国の構造上、一気に物事を動かすことに長けています。そんな中国で、IPv6でどのような動きがあったのかと、日本の私たちが今後どうしていくべきなのかを見ていきます。
中国の2024年IPv6計画
中国共産党中央サイバーセキュリティ・情報会員回弁公室が「IPv6の大規模展開・応用のさらなる推進2024年活動計画」を発表しました。これは、2024年末までに、IPv6のアクティブユーザー数を8億人に上げ、IoTのIPv6接続数を6億5000万にし、固定ネットワークのIPv6の通信量が占める割合を23%に、モバイルネットワークのIPv6の通信量が占める割合を65%にするというものです。このために、クラウドサービスやCDM、データセンターの事業開始時には、IPv6の使用をデフォルトにし、商用WebサイトやモバイルインターネットアプリケーションのIPv6サポート率を95%にするといいます。家庭でも企業でもIPv6シフトにすることを国が決定し推進していく形となりました。
IPv6 統計データ – Google を見ると、執筆時点では中国のIPv6普及率が5.46%と他の国と比較すると低い現状がある中で、この計画によってIPv6普及率を引き上げていくという意思表示と言えます。ちなみに日本のIPv6普及率は49.58%です。IPv4の枯渇問題からIPv6への移行が始まっていますが、ここまで国ごとに普及率に差があることからも国としての正式な対応を今年は実現していくということになります。
このニュースだけを見て、日本の動きがどうなるのかも考えていかなければいけません。既に各国では、IPv6普及に向けての方針を公開しているところもありますが、日本も議論を多く重ねています。間違いなくIPv6の普及は今後も増えてきますので、適時情報をキャッチアップしながら、適切な知識を持って状況を判断していくことがインフラエンジニアや企業の経営層には必要ではないかと思います。
IPv6の専門知識の取得を評価できる、「IPv6基礎検定」
そんなIPv6の普及が進む中で、IPv6を理解している技術者の高い需要を反映し「IPv6基礎検定」ができました。これは、インフラやIPv6の基礎が理解できているのかを試すための試験で、初級ネットワークエンジニア、ネットワークの運用管理を行う方を主な対象としています。
内容としては、IPv6の基本的な概論の内容から、ICMPv6、IPフラグメンテーション、IPv6マルチキャスト、IPv6とセキュリティ、IPv4との共存や変換に関する部分など幅広い問題が出題されます。特にエンジニアの方は、ご自身の能力を確かめる場としてちょうどいいと思いますので、ご活用してみてください。
IPv6検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。