IPv6といえば、IPv4に代わるプロトコルになり、ネットワークエンジニアとして知っておきたい技術の一つではないでしょうか。IPv6はCiscoの試験の一部の出題範囲にもなっており、学習をされている方も多いと思います。
そこでIPv6の基礎的な知識の確認をされたい方向けにIPv6基礎検定を全国350か所で通年実施しています。
学習方法は以下を推奨しています。
・IPv6のバイブル的書籍である「プロフェッショナルIPv6第二版」(出版社:ラムダノート)を入手してください。(書籍は電子書籍は無料で公開されています)
・以下の動画で学習方法を理解してください。
「IPv6の有識者 小川晃通さんからIPv6を学ぼう【セミナー動画】」
https://www.youtube.com/watch?v=RhG69xgKJEM
・「プロフェッショナルIPv6第二版」を使って学習をしてください。
・IPv6に関するコラムも公開していますので、そちらもご覧ください。
・IPv6基礎検定を受験いただき、理解度をチェックしてください。
新着情報
IPv6検定合格体験記
■実施の背景
IPv6が普及する中(Google社公開統計データによると2024年1月1日現在、国内のIPv6の普及率は51.45%)、IPv6を理解したネットワークエンジニアを育成する際のメジャメントが必要と考え、IPv6検定を立ち上げることにいたしました。
エンタープライズ環境におけるIPv6のデプロイについて紹介しているRFC 7381では「IPv6 はIPv4 よりもセキュアというわけではない(IPv6 Is No More Secure Than IPv4)」という章があります。 その章ではIPv6 がIPv4よりセキュアというわけではないと明記されています。そしてIPv6 にとって最大の脅威は、セキュリティを確保しながら運用できる経験者が不足していることであるとも記載されています。
IPv4アドレスの枯渇とともにIPv6対応が求められる環境が確実に増えています。 IPv6を理解したネットワークエンジニアが増えることで、IPv6対応がスムーズに行えるようになるとともに、IPv6を知らないことで発生するようなセキュリティや運用上のリスクを回避もしくは軽減できようになります。
そこで当協会は、IPv6の専門知識をもったネットワークエンジニアを育成する機運を高めるべく、IPv6検定を立ち上げました。IPv6検定を立ち上げるに至り、国内のIPv6有識者である小川晃通氏をIPv6アドバイザーとして招き、IPv6検定の試験問題作成や同試験の普及活動に従事いただいています。
■IPv6とIPv4の違い
IPv4とIPv6の最大の違いはIPアドレスにおいて、IPv4アドレスが32ビットであるのに対してIPv6アドレスが128ビットであることです。 そのほかに、IPヘッダのフォーマット、IPアドレス体系、IPアドレスの自動設定、ICMPの役割など、さまざまな点が異なります。 IPv4とIPv6は全く異なるプロトコルであるため、IPv4とIPv6の間に直接的な互換性はありません。 ネットワークとしてもIPv4インターネットとIPv6インターネットは別のネットワークです。
■「IPv6基礎検定」について
試験名称:IPv6基礎検定(英名:IPv6 Engineer Qualifying Basic Examination)
対象:初級ネットワークエンジニアとネットワークの運用管理を行う方
※初級ネットワークエンジニアとは:インフラエンジニアとしてネットワークの基礎知識がある方
概要:IPv6の基礎的な知識を問う試験
主教材での想定学習時間:約40時間を想定
設問数:40問
受験時間:60分
合格基準:70%正解
受験期間:通年
受験料金: 7,000円(税抜き)
試験会場:全国350か所のCBT-Solutionsテストセンター
お申し込み:以下のCBT-Solutionsのページより試験概要をご確認の上、お申し込みください。
https://cbt-s.com/examinee/examination/IPv6_basic
※バウチャーチケット一括購入についてはこちらをご覧ください。
主教材:プロフェッショナルIPv6第二版(出版社:ラムダノート)
価格:税込5,500円
https://www.amazon.co.jp/dp/4908686114
※電子書籍は無償。詳細は以下をご覧ください。
https://booth.pm/ja/items/913273
※IPv6上級検定も同じ主教材を使用する予定です。
参考教材:小川晃通氏によるIPv6解説動画
出題範囲:書籍「プロフェッショナルIPv6第二版」の中から出題します。
♯ | 出題内容 | 出題数 |
1:IPv6概論 | 第2章 IPv6概論 第3章 IPv6アドレス体系 第4章 IPv6パケットの構成 | 16問 |
2:ICMPv6、 Neighbor Discovery、 IPv6アドレスの自動設定 | 第5章 ICMPv6 第6章 近隣探索プロトコル 第7章 IPv6アドレスの自動設定 第8章 DHCPv6 | 12問 |
3:フラグメンテーション、 Path MTU Discovery、 マルチキャスト | 第9章 IPフラグメンテーション 第10章 Path MTU discovery 第11章 IPv6マルチキャスト | 4問 |
4:その他 | 第13章 IPv6におけるマルチアドレスと マルチプレフィックス 第14章 IPv6とセキュリティ 第16章 DNSの基礎とIPv6対応 第17章 DNSによるデュアルスタック環境の実現と運用 第21章 IPv4/IPv6共存技術の分類 第22章 トンネル技術 第23章 IPv4/IPv6変換技術 第24章 IPv4/IPv6共存技術の運用形態 第25章 プロキシ方式 | 8問 |
計40問 |
※各章の詳細は以下をご覧ください。 https://www.lambdanote.com/products/ipv6-2
ロゴマーク:
■例題
問1:Router Solicitationに対する応答ではなく、ルータから定期的に送信されるRouter Advertisementの宛先はどれか
1. fe80::1
2. 2001:db8::1
3. ff02::1
4. 64:ff9b::1
正解:3
問2:IPv6に関する記述のうち、適切なものを1つ選択せよ
1. IPv6ではIPsecの利用が必須となっているため、IPv4と比べて通信路での盗聴が困難である
2. IPv6ヘッダは40オクテットの固定長である
3. IPv6ヘッダに含まれるチェックサムは、パケットがルータを転送される度に計算され更新される
4. 3ffe::/16はマルチキャストアドレスである
正解:2
小川晃通氏による本例題の解説動画が以下に掲載されています。
https://www.youtube.com/watch?v=g59ghsAY7GA&t=5s
■小川晃通氏プロフィール
慶應義塾大学にて博士(政策・メディア)取得。各種TCP/IP解説書執筆。 『プロフェッショナルIPv6』『インターネットのカタチ』『マスタリング TCP/IP OpenFlow 編』(オーム社)、『アカマイ 知られざるインターネットの巨人』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『ポートとソケットがわかればインターネットがわかる』(技術評論社)、『Linuxネットワークプログラミング』(SBクリエイティブ)、『徹底解説v6プラス』(ラムダノート)の著者/共著者。IETFでの標準化への参加経験あり。RFC 3189、RFC 3190の共同著者。