これからのネットワーク自動化へ:日本企業が抱える自動化のジレンマと必要性

こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは主に、 Pythonを使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Pythonとネットワークの自動化についての最新情報や Pythonとネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せる中、多くの日本企業はネットワークの自動化を検討しています。ネットワーク自動化は、運用効率の向上、コスト削減、迅速なサービス提供など、さまざまなメリットをもたらします。しかし、その一方で多くの企業は導入に際してさまざまな課題に直面しています。この記事では、日本企業がネットワークの自動化を実施するための課題と、その必要性について詳しく解説します。

日本企業が直面するネットワーク自動化のジレンマ

日本企業はネットワークの自動化を実現したいのにできない、というジレンマを抱えています。大きく2つの要素に分けると、「ヒト」に由来するジレンマと、「モノ」に由来するジレンマが存在します。まずは、「ヒト」のジレンマです。

スキル不足・サイロ化された組織・スキルの非共有

ネットワークの自動化には高度なプログラミングスキルや自動化ツールの知識が求められます。しかし、多くの企業ではこれらのスキルを持つエンジニアが不足しており、自動化プロジェクトの推進が難航するケースが少なくありません。これは企業の組織的な問題でもあり、サイロ化された組織からは情報がうまく共有されず、その結果教育やトレーニングが追いつかないため、現場でのスキルギャップが大きな課題となるのです。
次に、「モノ」のジレンマです。

既存のインフラとの互換性

日本企業の多くは、既存のネットワークインフラを大規模に変更することなく自動化を進めたいと考えています。しかし、レガシーシステムとの互換性の問題が立ちはだかります。古いハードウェアやソフトウェアを新しい自動化ツールと連携させることは、技術的な課題が多く、その解決には専門知識が必要になります。そのため、既存のシステムをどうするのかもあわせて自動化を考えていくという事になり、話がとても大きくなってしまうのです。

またその他ですと、「ヒト」「モノ」どちらにも関係しますが、コストとリソースの制約というものもあります。ネットワークの自動化には初期投資が必要です。ツールやソフトウェアの導入、従業員のトレーニング、システムの移行など、さまざまなコストが発生します。特に中小企業にとっては、これらのコストが大きな負担となり、ネットワークの自動化実施をためらう要因となっています。

ジレンマを超えたネットワーク自動化の必要性

それではこれらのジレンマがありながらネットワークの自動化を実現するとどうなるのかについて説明します。
1.運用効率の向上
ネットワーク自動化により、日常的な運用作業が効率化されます。手作業による設定や管理が不要となり、人為的なミスのリスクが減少します。また、自動化されたプロセスにより、トラブル発生時の対応が迅速化し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
2.コスト削減
長期的には、ネットワーク自動化は運用コストの削減につながります。自動化ツールが定型業務を処理することで人件費を削減し、エンジニアはより高度な業務に専念できるようになります。また、効率化により設備投資の最適化も可能となります。
3.迅速なサービス提供
市場の変化に迅速に対応するためには、ネットワークの柔軟性とスピードが求められます。自動化により、新しいサービスやアプリケーションの展開が迅速化し、競争力が向上します。これにより、顧客満足度の向上とビジネスの成長が期待できます。
4.セキュリティ強化
ネットワークの自動化は、セキュリティ対策の強化にも寄与します。自動化された監視システムがリアルタイムでネットワークの異常を検知し、迅速な対応が可能となります。また、セキュリティパッチの自動適用により、脆弱性を迅速に修正できるため、セキュリティリスクを大幅に低減できます。

ネットワーク自動化には、Pythonが効果的

Pythonを使ったネットワークの自動化は日本でも普及が始まり、人材の需要も高まっています。Python自体の利用用途が豊富なことに加え、ネットワーク系のエンジニアでも扱いやすいことが理由の1つです。そのため、ネットワーク自動化のスキルとして、Pythonの習得が非常に重要です。Pythonは、そのシンプルさと強力なライブラリ群によって、ネットワーク管理やセキュリティツールの開発に最適な言語です。

Pythonを使ったネットワーク自動化のスキルを身につけるためには、体系的な学習と実践が必要です。そこでおすすめなのが、「Pythonとネットワークの自動化基礎検定」です。この検定は、Pythonを用いたネットワーク自動化の基礎から応用までを体系的に学ぶための認定試験です。受験することで、実務に役立つスキルを身につけることができ、キャリアアップにもつながります。
この検定試験は、主に配属前から配属3年目程度のネットワークエンジニアで、ネットワーク自動化の構築・運用を担当する方が自分の知識を試していただくものになっていますので、基礎部分の理解がしっかりできているかどうかを確認するためにおすすめです。
ご興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
https://network-engineer.jp/pynet_basic
Pythonとネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

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