こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは主に、Python を使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Python とネットワークの自動化についての最新情報やPython とネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。
ネットワークの世界において、物理機器を扱い、コマンドラインで操作し、通信の安定性を支えるネットワークエンジニアの役割は、これまでは実際に「人間が対応する」ことを前提としたものが中心でした。
しかし、今では静かに、しかし確実に「自動化」の波が押し寄せています。
その中で注目されているのが「Python」というプログラミング言語です。サーバーサイド開発や機械学習のイメージが強いかもしれませんが、実はこのPython こそ、今後のネットワークエンジニアにとって欠かせない武器となりつつあるのです。

ネットワークエンジニアにもPythonが必要なのか？

「ネットワークエンジニアにプログラミングスキルって必要なの？」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。実際、以前はCLI ベースの手作業で十分なケースが多く、プログラミングを必要としない現場も多々ありました。
しかし、近年のインフラ環境はクラウド化・仮想化が進み、ネットワークも「コードで管理する」方向にシフトしています。SDN（Software Defined Networking）やIaC（Infrastructure as Code）といった考え方が普及し、「設定を人が入力する」のではなく「コードで記述して反映する」スタイルが一般的になってきました。

こうした変化に対応するためには、純粋にコマンドを覚えるだけでなく、コードを読み書きし、業務を「自動化」できる力が求められています。Python はその入り口として最適な言語であり、エンジニアの業務範囲を一段広げてくれる存在なのです。

ネットワーク自動化に関して、Pythonでできること

では、実際にPython を使ってネットワークエンジニアは何ができるのでしょうか？以下に代表的な活用例を紹介します。

機器設定の自動化
複数のネットワーク機器（ルーターやスイッチ）に対し、同じような設定を繰り返し手動で行うのは、手
間もミスも増えがちです。Python のライブラリ「Netmiko」や「NAPALM」を使えば、数十台規模の
設定変更を一括で自動化できます。

ネットワークの監視とログ収集
SNMP やREST API を活用して、ネットワーク機器の状態監視やログ取得をPython で行うことができ
ます。例えばしきい値を超えたときにSlack へ通知するなど、日常運用の効率化にも直結します。

障害対応の迅速化
障害発生時に該当機器のインターフェース状態を即座に取得、再起動を行うスクリプトを事前に用意して
おけば、対応時間を大幅に短縮できます。冗長構成の切り替えにも応用可能です。

ドキュメント生成の自動化
構成情報を収集し、Markdown やHTML 形式で整形して自動的にドキュメント化することも可能です。
ネットワーク構成図やルーティング情報の可視化にも活用できます。

ネットワークエンジニアもPythonを学ぶことによるアドバンテージは大きい

ネットワークエンジニアの役割は、今まさに大きく変わろうとしています。人手による設定・運用から、コードによる自動化へ、という時代の流れにおいて、Python を使いこなせるエンジニアは、業務効率を高めるだけでなく、トラブルを未然に防ぎ、インフラ全体の品質を向上させることができます。
Python を使ったネットワーク自動化のスキルを身につけるためには、体系的な学習と実践が必要です。そこでおすすめなのが、「Python とネットワークの自動化基礎検定」です。この検定は、Python を用いたネットワーク自動化の基礎から応用までを体系的に学ぶための認定試験です。受験することで、実務に役立つスキルを身につけることができ、キャリアアップにもつながります。
この検定試験は、主に配属前から配属3 年目程度のネットワークエンジニアで、ネットワーク自動化の構築・運用を担当する方が自分の知識を試していただくものになっていますので、基礎部分の理解がしっかりできているかどうかを確認するためにおすすめです。

ご興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
https://network-engineer.jp/pynet_basic
Python とネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試
験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。