ソフトバンクが国内初のデジタルツインで実現する『ゼロタッチ運用』を展開 今こそ学ぶべきネットワーク自動化とPython

このコラムでは主に、Pythonを使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Pythonとネットワークの自動化についての最新情報やPythonとネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。

2025年11月、日本のネットワーク運用が新時代に(Autonomous Networks レベル3)

2025年11月25日、ソフトバンクがある発表を行いました(※1)。それは、デジタルツインを活用したIPネットワーク運用自動化システムを全国のメトロネットワークで運用開始し、TM Forum(通信業界の国際的業界団体)が定める「Autonomous Networks(自律型ネットワーク)」において、国内で初めてレベル3(条件付き自律)の認定を取得したというものです。

この「レベル3」という認定が何を意味するのかというと、特定条件下においてシステムが人の判断を介さず自律的に制御を行う段階になるということです。つまり、「ゼロタッチ運用(人の操作を介さず、異常検知から復旧まで自動実行)」が実現されたことを示します。
認定はレベル0(完全手動)からレベル5(完全自律)までの6段階評価となっており、レベル3は「人手中心の運用」から「システム主体の自律運用」への分岐点となる重要な到達点です。
(※1)https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20251125_02/

ちなみに、TM Forumは、1988年に OSI(Open Systems Interconnection)/NM(Network Management) Forumという非営利団体として発足し、現在、総合運用可能な「情報通信ネットワーク管理」を達成することを目的として活動を続けています。加盟企業は全世界で850社以上にもなる団体で、まさに通信業界の運用やビジネスプロセスの標準化をリードしています。

そんなTM Forumが定めている Autonomous Networks(自律型ネットワーク)は、AIや機械学習などの技術を使い、ポリシーベースやインテントドリブンな制御によって、外部からの指示をしなくても自律して調整や最適ができることを言います。そのためのレベルが6段階用意されています。(※2)
(※2)https://inform.tmforum.org/features-and-opinion/telco-industry-further-standardizes-autonomous-network-assessment

1万台規模のネットワーク機器を自動制御を行い、ポイントは2つの技術

今回の発表によると、ソフトバンクが開発したシステムは2つの核心技術で構成されています。
1つ目は「予兆検知基盤」です。従来のSNMP監視では機器の異常を「起きてから」検知していましたが、Telemetry(テレメトリー)技術を活用することで、従来の約5倍の頻度でデータを取得し、サービス影響が出る前の「予兆」段階で異常を捉えることが可能になりました。

2つ目は「迂回可否自動判定システム」です。ネットワーク障害発生時、従来は熟練技術者が現場の状況を総合的に判断して迂回経路を決定していました。しかし、この新システムはデジタルツイン上で機器の設定情報、ステータス、作業情報をリアルタイムに分析し、迂回可否を自動判定します。これにより、サービス復旧時間の大幅短縮と、個人スキルに依存しない安定運用が実現しました。

全国1万台規模の機器を抱えるメトロネットワークで、この自律運用が評価されたことは、日本の通信インフラが次のステップに到達したことを指している事象とも言えます。

私たちの会社でも実現できるところから(Pythonスキルが第一歩)

今回紹介した例は、とても革新的なものですが、「大手通信キャリアだから実現できたのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、このような自動化の基盤となるのは、決して特殊な技術ではありません。

私たち一人ひとりからできることとして、例えばPythonによるネットワーク機器の制御、Telemetryデータの収集・分析、REST APIを使った情報取得などがあります。

Pythonを使ったネットワーク自動化のスキルを身につけるためには、体系的な学習と実践が必要です。そこでおすすめなのが、「Pythonとネットワークの自動化基礎検定」です。この検定は、Pythonを用いたネットワーク自動化の基礎から応用までを体系的に学ぶための認定試験です。受験することで、実務に役立つスキルを身につけることができ、キャリアアップにもつながります。

この検定試験は、主に配属前から配属3年目程度のネットワークエンジニアで、ネットワーク自動化の構築・運用を担当する方が自分の知識を試していただくものになっていますので、基礎部分の理解がしっかりできているかどうかを確認するためにおすすめです。

ご興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
https://network-engineer.jp/pynet_basic

Pythonとネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

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