こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは、IPv6についての最新情報や IPv6検定基礎試験に関する内容を取り上げていきます。
今回は、IPv6が求められている理由と、その普及状況からわかる課題についてです。
IPv6が求められている理由
まずは、IPv6について説明します。よく、IPv6とIPv4の話が出ることがありますが、IPはインターネットプロトコルのことです。これはインターネット通信に関する決まり事を定義した手順や規格のことになります。その中で、IPアドレスはインターネットやネットワーク上のコンピューター(PC、サーバーなど含む)などが持っている識別番号で「インターネット上の住所」と呼ばれています。
IPv4は、Internet Protocol version 4のことで、私達の身近に広く普及しているものです。例えば、192.0.2.0 のような4つのブロックにそれぞれ0から255までの数字が割り振られ、これによってインターネット上の住所を示します。0から255の256通りのブロックが4つありますので組み合わせとしては、256の4乗でおおよそ43億通りが表現できます。32ビットのアドレス長を持つバージョンです。
しかし、急激なインターネットの普及により、私たちはこの住所が足りなくなるという問題に直面しています。そこで新たな表現方法として出てきたのがIPv6です。IPv6は8つのブロックから構成されており、それぞれ4桁の英数字を割り振っていくものです。例えばこのような表現になります。
2001:0db8:1234:5678:90ab:cdef:0000:0000
IPv4の4倍の128ビットのアドレス長をもつバージョンで、実質的には枯渇しないくらいの膨大なパターンを作ることができるため、IPv4で体感したような枯渇問題が解消されることになります。
IPv6の普及状況と課題
一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)の資料を見ると、2020年10月時点で40%以上のトラフィックがIPv6で、残りの60%弱がIPv4ということでした。
どんどんIPv6の利用が増えてくることは避けられない状況ですが、歩みはゆっくりと感じている方もいるのではないでしょうか。その原因の1つが、IPv6と従来のIPv4に互換性が無いということがあります。IPv6を使用している場合、IPv4の住所のサイトを見ることができなくなってしまうということです。
IPv4 over IPv6という、通信はIPv6で行いながらIPv4のインターネットを見ることができる技術も出てきていますので、共存している現状はこういった技術も使っていく必要があります。
このIPv6の課題は、企業の規模に関わらず影響します。インターネットやネットワークを多く使う現在の企業では、IPv4の場合、回線の遅さに影響することがあります。
IPv6、 IPoE(IP over Ethernet)を使うことで回線の速度が上がるため、業務における効率化などの観点でもこのIPv6については、各企業にとってどういう対応を取るのかを決めていくことも必要と言えます。
IPv6の専門知識の取得を評価できる、「IPv6基礎検定」
IPv6の普及が進む中で、IPv6を理解している技術者の需要が高まってきています。そこで、IPv6の知識をつける方向けに、「IPv6基礎検定」があります。初級ネットワークエンジニア、ネットワークの運用管理を行う方を主な対象として、基礎知識を確認する検定です。
ご興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
https://network-engineer.jp/ipv6basic
IPv6検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。