初学者向けIPv6解説コラム第一回「IPv6、IPアドレスの構成について」

はじめまして。小澤と申します。

このたび、「IPv6」についてのコラム執筆を担当することになりました。IPv6(Internet Protocol version 6)とは、インターネット上のデバイスを識別し通信するための最新のインターネットプロトコル(IP)のバージョンです。ますます多くのデバイスがインターネットに接続されるにつれて、十分なIPアドレスが必要であり、IPv6は現代のアプリケーションやサービスの増加する要求をサポートするためにますます重要になっています。つまり、IPv6はインターネットの持続的な成長と進化に不可欠な重要な技術です。

このコラムで、IPv6検定試験の主教材になっている『プロフェッショナルIPv6 第2版』(小川晃通:著/ラムダノート)を通して、一緒にIPv6を学んでいきましょう。IPv6を理解するためには、IPv4と比較することも有効です。IPv4とIPv6の主な違いについても多くの情報を提供したいと思います。

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IPv6について

IPアドレスという言葉は広く知られるようになりました。IPアドレスは、インターネット上で正確に通信するために重要な役割を果たします。IPアドレスは、インターネット上のコンピューターが識別されるための識別子であり、通信プロトコルであるインターネットプロトコル(IP)を使用して通信するために必要なものです。

IPv6は、現在使用されているIPv4プロトコルの問題点を解決するために開発されました。IPv4は、アドレスの枯渇、セキュリティ上の問題、QoSの欠如、モバイルデバイスの増加など、多くの問題があります。IPv6を使用するメリットには次のようなものがあります。

  • IPv4では、IPアドレスの数が限られているため、インターネットが拡大するにつれて、IPアドレスの不足が問題となっていました。IPv6では、128ビットのアドレスを使用するため、ほぼ無制限の一意のアドレスを割り当てることができます。理論的には340数十億のアドレスが利用可能です。これは、IPv4のアドレス空間の約340倍に相当します。インターネットに接続されたデバイスの数が増え続ける中で特に重要です。
  • IPヘッダーのサイズが小さくなるため、より効率的に転送でき、ネットワーク上のトラフィックを減らすことができます。これにより、ネットワークの速度が向上し、より多くの情報がより速く転送されるようになります。
  • 既知の脆弱性の削減が含まれています。IPv6には、セキュリティを強化するための新しい機能が含まれており、より安全なインターネット接続を提供します。

IPv6には、IPv4よりもセキュリティが向上したり、ネットワーク構成がより簡単になるなどの改善点があります。ただし、IPv6の採用は、既存のネットワークをアップグレードするコストや、一部のソフトウェアやデバイスでIPv6を広くサポートしていないことなど、様々な要因により予想よりも遅れています。

IPアドレスの構成

今回は、IPアドレスの構成(プロフェッショナルIPv6 第2版:12ページ)について、少し解説します。

IPアドレスは、32ビット(IPv4)または128ビット(IPv6)のビット数で表されます。IPv4アドレスは、4つの10進数で表された数値(255)のセットで構成され、各数値はピリオド(.)で区切られます。たとえば、「192.168.0.1」のような表記です。IPv6アドレスは、8つの16進数で表された数値(0FFFF)のセットで構成され、各数値はコロン(:)で区切られます。たとえば、「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のような表記です。

IPv4アドレスは、ネットワークアドレスとホストアドレスに分割されます。ネットワークアドレスは、ネットワークに接続されているコンピューターを識別するために使用され、ホストアドレスは、ネットワーク内の個々のコンピューターを識別するために使用されます。ネットワークアドレスとホストアドレスは、サブネットマスクによって分離されます。サブネットマスクとは、どの部分がネットワークアドレスで、どの部分がホストアドレスであるかを示すものです。

IPv6アドレスは、IPv4アドレスよりもはるかに大きく、膨大な数のアドレスを提供するために設計されています。IPv6アドレスの構成は、IPv4アドレスと似ていますが、ネットワークアドレスとインターフェースID(ホストIDに相当)に分割されます。IPv6では、サブネットマスクの代わりに、プレフィックス長が使用されます。プレフィックス長は、どの部分がネットワークアドレスで、どの部分がインターフェースIDであるかを示します。

まとめ

次回は、「プレフィックス長」と「ルーティングテーブル」について学習していきます。プレフィックス長は、ネットワークアドレスとホストアドレスの境界を決定する要素で、IPアドレスの構成にも関わっていましたね。ルーティングテーブルは、パケットが送信される先を決定するために使用されます。次回も、IPアドレスについてより深く掘り下げて学習していきましょう。次回もよろしくお願いします。

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