皆さんこんにちは。ネットワークエンジニアの 坂田一(さかたはじめ) です。
このコラムでは、「これからヤマハネットワーク機器を勉強される方」や「RTXルータ 検定for VPN 試験」の合格を目指している方向けに、ヤマハネットワーク機器に関する情報をご紹介していきます。今回は、RTXシリーズで使用する重要なコマンドを2つご紹介します。
■管理者モードに移行するためのコマンド:administrator
管理者モードに移行するコマンドをご紹介します。RTXシリーズではコマンドを使用して設定を行う場合、管理者モードに移行する必要があります。管理者モードに移行するためのコマンドは共通して以下を使用します。
コマンド:administrator
コマンド入力後パスワード入力画面が表示されるので、管理者モードに移行する際のパスワードを設定している場合はパスワードを入力しエンターキーを押します。パスワードを設定していない場合は、何も入力せずにエンターキーを押します。初期状態(工場出荷状態)では、管理者モードへのパスワードは設定されていません。
また「administrator」コマンドは、省略して「admin」と入力することも可能です。今後RTXシリーズをコマンドで設定する予定のある方は、ぜひこの省略系も覚えて下さい。作業がほんの少し早く終わりますよ。
■初期状態に戻すコマンド:cold start
次にご紹介するコマンドは、設定を削除するコマンドです。このコマンドはRTXシリーズの設定を削除し、初期状態に戻します。そのため本番環境で使用することは少ないと思いますが、検証環境などでRTXシリーズを初期化したい場合などには便利なコマンドです。初期状態にするためのコマンドは共通して以下を使用します。
コマンド:cold start
■気を付けたいポイント
今回ご紹介したコマンドに関して、気を付けたいポイントをご紹介します。
1つ目にご紹介した「administrator」コマンドに関する注意点は、Linux OSで使用する 「su」コマンドと混同してしまうことです。インフラエンジニアの方など、普段ネットワーク以外にサーバもまとめて設定されている方は特に注意です。試験で管理者モードへの移行に関する問題があった際に、無意識に「su」コマンドを選んでしまうかもしれません。
2つ目にご紹介した「cold start」コマンドに関する注意点は、RTXシリーズの「restart」コマンドと実行内容を混同することです。このコマンドは、RTXシリーズの再起動を行うものであり、設定の初期化は行われません。試験でこれら2つのコマンドが選択肢にあった場合は、問われている内容が初期化なのか再起動なのかを確認しましょう。
余談ですが、「restart」コマンドを実行時に、設定が削除されてしまう場合があります。それはRTXシリーズへコマンドで設定した内容を「save」コマンドで保存していない場合です。コマンドを使用して設定を行ったら「save」コマンドで設定保存すること、忘れないようにして下さい。*保存されていない設定のみ削除されるため、初期化とは異なります。
RTXルーター検定 for VPNについて
本試験について興味がある方は、以下のページをご覧下さい。
https://network-engineer.jp/wp-admin/post.php?post=103&action=edit
■問題を解いてみましょう
最後に、今回の内容を基に問題を解いてみましょう。
問題1
RTXシリーズに対してコマンドを使用した設定を行うため、管理者モードに移行したい。その際に実行するコマンドとして適切なものはどれか。
- su
- administrator
- configure terminal
- configuration-mode w
正解は②です。
問題2
RTXシリーズの設定を初期状態(工場出荷状態)に戻したい。その際に実行するコマンドとして適切なものはどれか。
- refresh
- restart
- cold start
- delete config
正解は③です
皆さん正解できましたか。少しでも不安を覚えた方は、改めてこのコラムを読み返してみてください。では、また次回のコラムでお会いしましょう。さようなら。