脱・夜間対応!社内ネットワーク運用は自動化の時代!AIとPythonを使った運用とは


こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは主に、Python を使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Python とネットワークの自動化についての最新情報やPython とネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。

システム・ネットワーク運用と聞くと、どういう印象やリアルを思い浮かべるでしょうか。
深夜に障害対応の電話がかかってくる、アラートが止まらない、休日対応、などあまりポジティブではないイメージも正直あると思います。
しかし、2025 年現在では、AI や自動化の技術があります。これによって従来の課題を根本的に解決できる状態が近づいているのです。

夜間対応地獄からの脱却が現実的になった理由

従来のネットワーク監視は「異常を検知してアラートを出す」というリアクティブな仕組みでした。
しかし、AI 技術の進歩により、「障害を予測し、自動で対処する」プロアクティブな運用が現実のものとなってきています。

2025 年現在、ネットワーク自動化市場は年間16.7%の成長率で拡大し、2033 年には1,036 億ドル規模に達すると予測されています(※1)。この成長の背景には、「人的リソースの限界」と「24 時間365 日対応への需要増加」があります。
そして今後の市場を牽引する要因として、ネットワークの複雑化、急速なデジタルトランスフォーメーション、人工知能(AI)と機械学習(ML)技術の統合、スマートコネクテッドデバイスの採用拡大が挙げられており、技術環境の変化がエンジニアの働き方改革を後押ししています。
(※1) https://www.gii.co.jp/report/imarc1722490-network-automation-market-report-by-
component.html

Python が実現する自律運用の 3 つのレイヤー

続いて、Python が実現するネットワークの自動化運用を3 つのレイヤーに分けて見ていきます。

レイヤー1 は、予知保全による障害の未然防止です。
AI による予知保全システムは、ネットワーク機器のログデータやパフォーマンスメトリクスを機械学習で分析し、障害発生を事前に予測します。Python のscikit-learn やTensorFlow を活用することで、トラフィックパターンの異常や機器の劣化兆候を数日から数週間前に検知できるようになります。
製造業分野では、AI 異常検知システムの導入により機械の停止や故障を未然に防ぐ成果がでているなど、同様の技術をネットワーク分野に適用することで、計画的なメンテナンスと突発的な障害の予防が可能になってきている状況です。

レイヤー2 は、リアルタイムの異常検知と自動対応です。オートエンコーダーやVariational Autoencoder(VAE)といった深層学習技術により、ネットワークの「正常状態」を学習し、小さな異常も瞬時に検知できます。Python で実装されたこれらのシステムは、異常検知と同時に事前定義された対応スクリプトを自動実行し、多くの問題を人の介入なしで解決していきます。

レイヤー3 は、学習型の自動復旧システムです。
過去の障害対応履歴から最適な復旧手順を学習し、新たな障害に対しても自動で適切な対応を選択するシステムです。Python の豊富な機械学習ライブラリを活用することで、従来は経験豊富なエンジニアの判断に依存していた複雑な障害対応も自動化できるようになります。

自動化により、働き方も変わるのか

実際、AI×Python 自律運用システムを導入した企業では、働き方改善が期待されています。
例えば、夜間・休日対応の大幅削減により、緊急対応が必要なアラートが大幅に減少しているというものです。自動化が進んだことによる効果です。これによって、夜中に人が対応するケースが大きく改善される形となります。

また、平均復旧時間の大幅短縮もあります。人的対応では長時間を要していた問題が、AI 検知とPython
自動化により迅速に解決されるようになっています。

更に、従来大きな問題であったエンジニアのストレス軽減により、離職率の改善や、より戦略的な業務へ
の集中が可能となり、組織全体のパフォーマンス向上にもつながることにもなります。

会社としても、エンジニアとしてもネットワーク運用の自動化はやってマイナスなことはない

ここまで見てきたように、ネットワーク運用の自動化は人の運用からの大幅シフトが進んでいます。
特に、Python は学習コストがそこまで高くなく、うまく使いこなすことで自動化やAI の活用が促進されますので、非常に強力な武器にもなります。

Python を使ったネットワーク自動化のスキルを身につけるためには、体系的な学習と実践が必要です。そこでおすすめなのが、「Python とネットワークの自動化基礎検定」です。この検定は、Python を用いたネットワーク自動化の基礎から応用までを体系的に学ぶための認定試験です。受験することで、実務に役立つスキルを身につけることができ、キャリアアップにもつながります。この検定試験は、主に配属前から配属3 年目程度のネットワークエンジニアで、ネットワーク自動化の構築・運用を担当する方が自分の知識を試していただくものになっていますので、基礎部分の理解がしっかりできているかどうかを確認するためにおすすめです。

ご興味のある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
https://network-engineer.jp/pynet_basic

Python とネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試
験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
Python とネットワークの自動化基礎検定合格体験記

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