
このコラムでは主に、Pythonを使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Pythonとネットワークの自動化についての最新情報やPythonとネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。
「ネットワーク自動化」と聞くと、たくさんの機器にまとめて設定を入れるような、大がかりな仕組みを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれも自動化の一つですが、実際の現場で先に効いてくるのは、もっと身近な作業です。
たとえば、機器の状態確認、ログの取得、報告用の情報整理など、毎日くり返している細かな仕事が該当します。こうした作業は一つひとつを見ると小さくても、積み重なると意外と大きな負担になります。だからこそ今、Pythonを使ったネットワーク自動化を「難しいもの」として構えるのではなく、「日々の仕事を少し楽にする方法」として考えてみる価値があるのではないでしょうか。
ネットワークエンジニアにとってネットワーク自動化は「設定投入だけ」
しかしながら現実を見てみると「ネットワーク自動化」というと、どうしても設定変更の自動化に目が向きがちです。
ただ、保守運用の現場では、それ以外にも自動化できることがたくさんあります。
複数の機器の状態をまとめて確認したり、必要なログを定期的に取ったり、集めた結果を見やすく整えたり。そうした作業も立派なネットワーク自動化です。
むしろ経験が浅いネットワークエンジニアほど、こうした日常業務に近いところから自動化を考えたほうが、実務とのつながりが見えやすいはずです。
2025年末には、JPNICが総務省委託の調査研究(※1)として、ネットワークエンジニア業界の人材確保と育成に関する取り組みを進めることを公表しました。人手不足が業界全体の課題になっている今、限られた人数で安定した運用を続けるためにも、自動化の価値はこれまで以上に高まっています。
ログ取得や状態確認から始めるPythonネットワーク自動化
そこで相性がよいのがPythonです。
Pythonは比較的読みやすく、初学者でもとっつきやすい言語として知られています。条件分岐や繰り返し、ファイル操作といった基本を学びながら、そのままネットワークの仕事に結びつけやすいのも魅力です。大きな仕組みをいきなり作らなくてもかまいません。まずは「毎朝やっている確認を少し楽にする」「手でまとめている情報整理を自動化してみる」といった小さな一歩で十分です。その積み重ねが、ネットワーク自動化の実感につながっていきます(※2)。
(※1) https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2025/20251205-03.html
(※2) https://network-engineer.jp/archives/1591
なぜ今、ネットワークエンジニアがPythonを学ぶ意味があるのか
2026年に入ってからは、AIや自律型ネットワークに関する話題を目にする機会が激増しました。たとえばNVIDIAの2026年調査(※3)では、通信事業者の89%が今後12カ月でAI予算を増やす予定だと回答しています。またGartner (※4)も、これからのネットワーク運用では、従来の装置監視だけでなく、トラフィックの監視や分析の重要性が高まると示しています。こうした変化を見ると、これからのネットワークエンジニアには、機器を扱う力だけでなく、情報を集めて整理し、活用する力もますます求められていくことが分かります。
AI時代のネットワーク自動化でもPython基礎が土台になる理由
ただ、ここで「AIまで勉強しなければ」と身構える必要はありません。
AIや自律型ネットワークの話も、土台をたどれば、データを集める、条件に応じて処理を分ける、結果を整理するといった基本の積み重ねです。その入口として、Pythonを学ぶ意味はやはり大きいです。2026年3月にソフトバンクが発表したAI活用の自律型ルーティング技術(※5)も、突き詰めれば、状況を見て判断し、最適な処理につなげる仕組みです。
最先端の話題を遠い世界のものにしないためにも、まずはPythonの基礎を押さえておくことが、結果的にはいちばん堅実な近道なのだと思います。
(※3) https://blogs.nvidia.com/blog/ai-in-telco-survey-2026/
(※4) https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20251204-network-trend
(※5) https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2026/20260311_01/
Pythonネットワーク自動化を学ぶなら、どこから始めるべきか
ネットワーク自動化は、何も大きな設定投入だけの話ではありません。
むしろ、日々の保守運用の中にある小さなくり返し作業を減らしていくところに、初学者にとっての大きな価値があります。AIや自律型ネットワークが話題になる時代だからこそ、その土台になるPythonを早めに学んでおく意味はますます大きくなっています。難しいことを最初から全部理解しようとしなくても大丈夫です。まずは、いま手でやっている作業を一つ見直してみること。その小さな一歩が、これからのネットワークエンジニアに必要なネットワーク自動化につながっていきます。
ネットワーク自動化に興味はあっても、「何から始めればいいのか分からない」という方は、いきなり高度な開発や大規模な仕組みを目指すのではなく、基本文法、文字列やファイルの扱い、ネットワーク機器とのやり取りといった土台から始めるのが王道です。基礎が身についてくると、普段の保守運用の中でも「ここは自動化できそうだ」と気づける場面が少しずつ増えてきます。
学びを続けるうえでは、目標があると進めやすくなります。その意味で、Pythonとネットワークの自動化基礎検定(※6)のように、実務につながる内容を体系的に確認できる指標を持つのはよい方法です。Pythonで何ができるのかを、ネットワークエンジニアの視点で整理しながら学べるので、これから自動化に踏み出したい方にとっても取り組みやすい入口になるはずです。
(※6) https://network-engineer.jp/pynet_basic
▶ Pythonとネットワークの自動化基礎検定:https://network-engineer.jp/pynet_basic
Pythonとネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。








