
このコラムでは主に、Pythonを使ったネットワークの自動化をしたいというエンジニアの方向けに、Pythonとネットワークの自動化についての最新情報やPythonとネットワークの自動化基礎検定に関する内容を取り上げていきます。
ネットワークエンジニアが悩む「自動化」の選択
「自社のネットワーク自動化を始めたいけど、PythonとAnsible、どっちを学べばいいの?」
こういった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
実際、エンジニアコミュニティでも繰り返し議論されるテーマであり、現在も多くの初心者が迷うポイントとなっています(※1)。
結論から言えば、「どちらか一方」という選択ではなく、「両方の特性を理解した上で使い分ける」ことが正解です。
しかし、多くの初心者が陥る落とし穴があるのも事実です。
(※1)https://www.reddit.com/r/networking/comments/yu5awi/python_vs_ansible/
AnsibleとPythonの違い
まず、AnsibleとPythonの根本的な違いという点です。
Ansibleは、YAMLという人間が読みやすい形式で記述された「Playbook」を使って、複数のサーバーやネットワーク機器に対して一斉に設定を適用するツールです。特徴は「エージェントレス」であること。つまり、管理対象の機器に専用のソフトウェアをインストールする必要がなく、SSH等の接続さえできれば利用できます。そのため、「100台のスイッチに同じVLAN設定を投入する」といった、大規模なインフラ管理に威力を発揮します。
一方、Pythonは汎用プログラミング言語です。NetmikoやNAPALMといったライブラリを使えば、ネットワーク機器への接続や設定変更が可能になります。Pythonの強みは「柔軟性」にあります。複雑な条件分岐、外部APIとの連携、データベースへのアクセス、カスタムロジックの実装など、Ansibleでは対応しきれない高度な処理を自由に記述できます。
最初に陥る可能性がある2つの落とし穴
ここで、学びはじめの方が陥りがちな落とし穴があります。
それは「Ansibleは簡単だからAnsibleだけ学べばいい」という誤解です。確かに、AnsibleのPlaybookは見た目がシンプルで、プログラミング未経験者でも比較的とっつきやすいでしょう。しかし、実はAnsible自体もPythonで書かれており、複雑な処理を書こうとすると結局Pythonの知識が必要になります(※2)。さらに、Ansibleでエラーが発生した際のトラブルシューティングや、カスタムモジュールの作成には、Pythonの理解が不可欠です。
逆に、「Pythonさえできればすべて解決」という考え方も危険です。Pythonスクリプトは確かに強力ですが、インフラ全体を管理する際の「冪等性」(何度実行しても同じ結果になる性質)や「状態管理」を自力で実装するのは大変です。Ansibleはこれらの機能を標準で持っているため、大規模環境では圧倒的に効率的です。
(※2)https://docs.ansible.com/projects/ansible/latest/network/getting_started/network_differences.html
ネットワーク自動化、正しい学習の順序とは
では、どう学ぶべきでしょうか。
「まずPythonの基礎を固めてから、Ansibleを学ぶ」という順序がおすすめされています。Pythonの基礎があれば、Ansibleの動作原理も理解しやすくなりますし、複雑なシナリオに直面したときに適切な判断ができます。具体的には、変数、データ型、条件分岐、ループ、関数といったプログラミングの基本概念をPythonで学んでおくことで、AnsibleのPlaybookもスムーズに理解できるようになります。
「Pythonとネットワークの自動化基礎検定」は、まさにこの「基礎固め」に最適な内容になっています。 SSH経由でネットワーク機器を操作するライブラリであるNetmikoやNAPALMの使い方、ファイル操作、データ処理など、実務で必要な知識を体系的に学べます。この基礎があれば、Ansibleに進んだときも、「なぜこのPlaybookがこう動くのか」が理解でき、応用力が段違いに高まります。
ネットワーク自動化の世界では、「正しいツールを正しい場面で使う」ことが何よりも重要で、その判断をするためには、まずPythonという「共通言語」を身につけることが、遠回りのようで実は最短ルートであると言えます。
Pythonとネットワークの自動化基礎検定:https://network-engineer.jp/pynet_basic
Pythonとネットワークの自動化基礎検定では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験されたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。








